アニメーションの基本③~Posing~ 

CG Animation講座

シルエットを意識したポージング

アニメーションの基本第三回目として、人型キャラクターのポーズ作成をしていこうと思います!

ポーズ作成の準備

まずはポーズ作成に使用するリグをダウンロードしてください。mbデータをを開くと下記のようになっていると思います。

ポーズ作成に入る前に、リグシステムの「FKIK」について少し解説していきます。

FKIKとは

アニメーションをコントロールするリグのシステムに「FK」と「IK」というものがあります。

FK=フォワードキネマティクス、IK=インバースキネマティクスの略称で、キャラクターを動かす際の制御方法がそれぞれ異なります。

それではそれぞれの特徴について見ていきましょう。

FK(フォワードキネマティクス)の特徴

FKはコントローラーの「回転」で動きを制御する方法です。

腕を振る動きや、動物の尻尾など円形軌道の動きを作成するのに適しています。

また、メリットとしてシンプルな分動きが制御しやすく、綺麗なアニメーションの軌道が作りやすいという特徴があります。

デメリットとしては、回転制御なので直線的な動きが苦手なのと、基本的に固定ができないので腕立て伏せのような動きや、重い扉を押すような動きには適していません。

IK(インバースキネマティクス)の特徴

IKはコントローラーの「移動」で動きを制御する方法です。

主にストレートパンチのような直線的な動きの作成に適しています。

メリットとしては直接的な動きの作成だけでなく、IKコントローラーを固定軸に他の部位を動かす事が可能なので、FKでは難しかった腕立て伏せのような動きや、重い扉を押すような動きを作成することができます。
(人型キャラクターのリグでは足の制御はデフォルトでIKになっていることが多いです)

デメリットとしては基本的にコントローラーによる移動制御になってしまうので、人体構造に沿った自然な動き(歩く時の腕の振りなど)が作成しづらく、気を付けて作成しないと悪い意味でIKっぽい動き(不自然な動き)になりがちです。

IKFKのそれぞれの使い方や特徴を見てきましたが、アニメーションを作成する際はどちらかの制御方法だけを使用するのではなく、作業の途中でその動きに適した制御方法に切り替えることが大切です。

ポーズを付ける際の基本的な考え方

ポーズ作成はアニメーションの一番始めにする作業ですが、アニメーションのクオリティを左右するとても重要な作業です。

理由としてはアニメーションが静止画の連続である以上、「良いポーズの絵」がなければ必然的にクオリティの高いアニメーションになることはないからです。

では「良いポーズ」とは何かというと、下記の3つの要素が表現できているポーズであることです。

  • 何をしているか
  • どのような感情なのか(喜怒哀楽)
  • どのようなキャラクター性があるのか(元気なキャラ、おとなしめのキャラ等)

シルエット、ネガティブスペースを意識したポーズの作成

上記の3つを表現するために、まずはキャラクターの「シルエット」「ネガティブスペース」を意識しながらポーズを作っていくと良いかと思います。

シルエットとは

シルエットとは、キャラクターの視覚情報を最小限にした『輪郭や形状』のことです。

「シルエット」だけで何をしているのかを伝えられるようにすることで、最終的に説得力のあるポーズ作成に繋がっていきます。

ネガティブスペースとは

ネガティブスペースとは、デザインにおける空白部分のことを指します。

ポーズに置き換えると、腕と体の間だとか、体と足との間に生まれるスペースのことです。このネガティブスペースをうまく活用することで、感情やキャラクター性を補完することができます。

それでは以下の2枚の画像を見てください。

1枚目は男性がひどく落ち込んで座っているポーズ。2枚目は男性が喜んで跳びはねてるポーズです。

この2つのポーズ、感情的にかなり差があることがわかると思います。1枚目はマイナスの感情、ふさぎ込んで弱っている状態です。

ライティングを無しにした状態で確認してみると、ネガティブスペースも小さくシルエットも全体的に中央に委縮して いるのがわかると思います。

次に2枚目のポーズもライティングを無しにした状態で確認してみましょう。

1枚目とは違い、ネガティブスペースの数も多く、スペース自体の広さも広めで外側へ向かっていくようなシルエットになっています。

また「跳びはねる」というポジティブな印象が伝わりやすいポーズを選択することによって、記号的な意味合いでの説得力も増やすことができます。

伝わりやすいという部分が重要で、アニメーターとは映画の視聴者やゲームのプレイヤーにアニメーションを届ける仕事ですので、常に見ている人の立場になって考えるように心掛けてください!!

このようにキャラクターの「シルエット」と「ネガティブスペース」をうまく活用することがポーズを作成する上で重要になってきます。

Appeal (アピール)【キャラクター性を意識したポーズの作成 】

ポーズを作成する際にはキャラクター性もしっかりと考慮しなければなりません。

キャラクター性というのは、そのキャラクターが男性なのか女性なのか、子供なのか大人なのか、おとなしい性格なのか元気な性格なのか、etc…といったものです。

同じモデルを使用し「横柄な男性をイメージしたポーズ」と、「おとなしめの女性」をイメージしたポーズを作成してみました。

横柄な男性をイメージしたポーズ
おとなしめの女性をイメージしたポーズ

同じモデルを使用したポーズですが、キャラクター性の違いで大きな差があることがわかると思います。更に細分化すると、年齢や体調などの状況によってもポーズは変わってきます。

重要なのは、ポーズを作成する前にどんなキャラクター性をもっていて、どんな状況なのかということもしっかりとイメージしておくということです。(バウンシングボールやスライムジャンプの時と同様です!!)

曖昧なイメージのまま作業を開始してしまうと、伝わりにくい曖昧なポーズになってしまうことがほとんどだと思います。

ポーズを作成する際の注意点

最後にポーズを作成する上での注意点をいくつか掲載しておきます。

重心を意識する

まず1つ目は重心を意識するということです。

動きの途中であれば重心が動く向きへ崩れているのは問題ないのですが、例えば片足立ちのポーズを作る時などは、そのポーズで実際に成立するかどうかを意識してポージングしてください。

↑は重心のバランスが取れているので片足立ちが可能ですが、

↑このような重心にしてしまうと、実際にそのポーズを取ろうとした時に左側に倒れてしまいます。

全ての角度からポーズを確認する

ポーズを作成する際、1つのビューでのみではなく、フロントビュー、バックビュー、サイドビューなど様々な角度からポーズを確認するようにしてください。

正投影のビューを追加、変更したい場合は「Pnels」→「Orthographic」から選択可能です。

腕を上げる時の肩の位置

腕を上げるポーズを作成する場合、腕のコントローラーのみで上げないようにしてください。

自分で腕を上げてみると分かると思いますが、腕を上げようとすると自然と肩も上がると思います。

腕のコントローラーのみを使用して腕を上げる
肩のコントローラーも使用して腕を上げる

つま先と膝の角度

つま先と膝の角度に注意してください。

足の付け根から膝まで線を引いた時に、つま先が極端に曲がっているポーズになっていないか注意してください。

こちらも自分でポーズをとってみるとわかりますが、つま先だけを極端に曲げようとするとかなりキツイと思います。

つま先だけが極端に曲がっている
つま先と膝の角度が整っている

まとめ

ポーズ作成の解説は以上になります。

ポーズ作成は全てアニメーションの基となる作業ですが、個人的にはアニメーションの一番重要な要素だと考えています。様々なシチュエーションのポーズを繰り返し作成してポージングの技術を磨いていって下さい!!

Practice:感情に焦点を当てたポーズ作成してみよう!

喜んでるポーズ、怒っているポーズ、哀しんでいる(落ち込んでいる)ポーズ、楽しんでるポーズ、『喜怒哀楽』をイメージしたポーズを練習で作成してみてください!

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